理不尽

「ねぇ、桜。なんで何も言わないの。」

「え？」

「足。歩けないんでしょう？」

そう言って顔を上げた里奈の目には涙がたまっていて

「うん。そう見たい」
と言って笑った私を見て
ポロリと涙を零した。

「なんで、笑うの…。」

「なんで…だろう…ね…」

「あんた、全然、笑えてないよ。」

「え。」

そう言われて気づく、

「あれから、私、桜の笑ってる顔を見てないよ。
強がんなよ。辛い時くらい私のこと頼ってよ。」

「はは、そうだね、私、笑えてないよね、
あれから全然、笑えてないよね」

「なんで、そんなに…強がりなの…」