理不尽
「名前だけ…」
彼をそこまで苦しめるものはなんなのか。
私はまだ彼の心からの笑顔を見たことがない。
一度でいいから。心からの笑顔を見たい。
「僕はその病気を患っている。
症状の1つが立ちくらみ、
それが階段の上で起きた。」
血の気が引いた。
「階段から…落ち…た…?」
「あぁ、そうだ。
全身に怪我を負っていた。手術は無事に終わった。
ただ僕はもう1つの病を抱えていた。
その病気の手術もしたばかりだった。」