理不尽
目を覚ますと見慣れない真っ白な天井があった。
消毒液の匂い、お見舞いのお菓子の甘い匂い
その一つ一つが病院にいることを実感させる。
「桜!桜!目が覚めたの!?」
里奈は興奮しながらナースコールを押した
「もう、目が覚めないかと思った…」
目から大粒の涙が溢れていくのをただじっと見つめていた。
「ごめん。」
案外、私は冷静だった。
ナースコールで駆けつけた看護師さんに点滴を打たれながら
「心配かけちゃったね」
と明るく言って笑った。