理不尽
パチパチ
隣から聞こえた。
ふと見ると、彼がカーテンを開けて拍手をしていた。
「仲直りおめでとう。
隣にいるとさ、聞こえちゃうから。」
と言った。
私にはなんだか寂しそうに見えた。
「退院してもさ、里奈とお見舞いに来るね。
今度は同室としてじゃなく。」
彼はまた笑った。
彼の笑顔は私にとって凄く大切で
里奈も見ていることが少し悲しかった。
大事な親友にまで
嫉妬するなんて見っとも無いと自覚はあるのだけれど。
「待ってる」