理不尽
見舞い
久しぶりの家で
まだ一度しか着ていないのにボロボロになってしまった制服と
学校側が寄付してくれた真新しい制服を見つめる。
じっと見ていると恐怖が蘇ってきて
1人で静かに泣いた。
浮かれていたことに後悔した。
ワクワクしすぎていた。調子に乗っていた。
それから陸上の本を全部古本屋で売った。
ガラガラになった本棚に
新しくパラリンピックと書かれた本を差す。
心の中が空っぽになってしまったようで
そのまましばらくぼうっとしていた。