理不尽
「行ってきますっ!」
おばあちゃんは小さい声で「行ってらっしゃい」と言った。
ガサガサとしたハスキーな声が心地よく響いた。
これで合宿頑張れるぞ!!
そう意気込んでいると
「行くよ。
それにしてもさ、本当に大丈夫なの?ねぇ!
だって知らない人もいるんだよ?
不安じゃないの?
私も付いて行こうか?」
って心配性を全面に露わにした里奈が話しかけてきた。
おばあちゃんの代わりに見送りに来てくれたのだ。