お姫様は男装騎士
「しかし…。」


と父上の方を見るリアム牧師先生。


「まさか、アダム牧師先生に隠し子が居たなんて

驚きですね。」


と僕をマジマジ見る。


「うーん…。隠し子じゃないんだよね」


と苦笑いする父上。


それを聞いたリアム牧師先生は引いていた。


「もしかして…誘拐ですか?

真面目だった貴方が犯罪を犯したなんて…」


「ち、違うから!!

この子は親戚の子だから!!

訳あって一時的に父親になってるだけだから!!」


と慌てて説明する父上。


「冗談ですよ。

貴方がそんな事するとは思ってません」


と笑いを堪えながら言うリアム牧師先生。


父上をからかって遊んでいたらしい。


「さて、アダム牧師先生。

これからカロナさんをどうするのですか?」


と気を取り直すリアム牧師先生。


「この国の事について知らないから説明と、

教会の案内をして、

色々見て回った後は王宮に向かう予定だよ」


「…ちょっと待ってください」


「ん、どうしたの?」


「今、最後の方に王宮と言う言葉が聞こえました

が…」


「うん、言ったよ?」


「はぁ…」


と溜息を吐くリアム牧師先生。


「どうしたのですか、リアム牧師先生?」


「てっきりカロナさんは牧師を目指しているのか

と…」


「す、すみません!!」


「謝らないでくだいカロナさん。

悪いのはアダム牧師先生ですから。

詳しい事を教えて下さらない…ね?」


と黒い笑みを浮かべながら父上を見るリアム牧師先生。


「わ、分かったから!!

今から話すから!!

だから、その笑顔はやめて!!」


と慌てふためく父上。


(なるほど…リアム牧師先生の方が上なのか…)


とカロナは心の中で思った。
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