お姫様は男装騎士
「着替えてきましたよ、リアム牧師先生」


とジョン牧師先生は腰に手を当てながら言う。


「それでは、自己紹介してください」


とリアム牧師先生が僕の肩をポンっと優しく押す。


「お初にお目にかかります。

父がいつもお世話になっております。

カロナ・ユーインと申します。

以後お見知りおきください」


とお辞儀をする。


「カロナ・ユーイン君ね!

僕はジョン・サンチェスだよ!

よろしくね!!」


と手を握ってくるジョン牧師先生。


「よろしくお願いします」


と手を握り返す。


「リアム牧師先生…カロナ君って良い子ですね!!」


と僕の頭をわしゃわしゃするジョン牧師先生。


おかげで髪の毛がグシャグシャになった。


ウィッグ…ズレてないよね?


「ジョン牧師先生…

カロナさんの髪がグシャグシャになってしまいましたよ」


とリアム牧師先生はやれやれと呆れていた。


「ご、ごめん!!」


と慌てふためくジョン牧師先生。


「大丈夫ですよ、ジョン牧師先生」


僕は髪を元通りに戻す。


3名の牧師先生は驚いていたがそっとしておこう。


「さて、自己紹介も終わりましたし…

教会の中を案内いたしましょう。

カロナさん、くれぐれもはぐれないようにお願いします」


「はい!!」


それから教会の中を案内していただき、


「目的地に到着だね」


と父上が扉を開ける。
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