お姫様は男装騎士
「コホン。アリス、話を戻しますが、
隣国に着いたらアダムが貴女のお父さんになりますからね」


とお母様が咳払いしながら言う。


「どうしてですか?」


と尋ねると、


「この国の、今の名前のままだと、
貴女が姫であるという事が分かってしまいますからね」


とお母様は言う。


なるほど…よく考えてらっしゃる!


「そうですね。
それでは、名前はどうしたらいいでしょうか?」


「ユーインだけははずしてはいけませんからね…。」


少したったあと。


「……。
カロナ・ユーインと言う名前はどうでしょうか!」


「お〜、いい名前だね。
よろしくね、カロナ君♪」


と伯父様は私を抱きしめた。


「お、伯父様?!」


と驚きあわあわしてる私を見て、


「あ、ごめんごめん。
つい、嬉しくて」


と離れる伯父様。


「大丈夫ですよ♪」


と私は微笑みながら言う。


「アリス、
明日には出発していただきたいので、
今日中に荷物は詰め込んでくださいね。
何か必要な物があったら言ってちょうだい」


と言われ、


「お母様、包帯かサラシってありますか?」


と尋ねると、


「えぇ、あるわよ。
必要だと思って事前に用意させましたからね」


とかえってきた。


「なら良かった!」


と私は安堵した。


「アリス、包帯やサラシを何に使うのかい?」


あっ、伯父様の存在を忘れてた。


「少し、ここでは言えないことです」


と私が濁して言うと、


「そうね。
ここでは言えないことね」


とお母様も便乗した。


「もう、2人して僕を仲間はずれにするのかい?」


と言われとしまったら仕方ない。


「はぁ、言葉にしないので見ていてください。」


と私がジェスチャーをすると、


「なるほど!女性って大変だね」


と分かってくれたらしい。


さらに、関心までしていた。


「お兄様、少しはデリカシーを持ってくださるかしら?」


とお母様は伯父様を睨みつけた。


「おっと、ごめんよ」


と伯父様は怯んでいた。


「お母様、伯父様。
私は明日の準備をしなくてはなりませんので、
少々席を外しますね」


「わかったわ。
出来る限り荷物は少なくしてちょうだいね」


「はい、失礼します」


と私はお母様と伯父様にお辞儀をしてから自室に戻った。
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