リトライ
私は1つ、小さく深呼吸をする。

結局私はまた、この魔法の言葉へ逃げるらしい。


渇ききった喉から声を絞り出し、いつもの様に私はこう呟く。


「リトライ」


世界は曲がり、繋がりは千切れ、終わりは始まりへと戻る。



「あれ?あおちゃん。こんな所で何してるの?」


歪んだ世界で、彼は健気に問いかける。


私は呼吸を整え、少し胸を張ってこう続ける。


「はるくん。あなたの事が大好きです。私と付き合ってください。」





リトライされた今日、私はまた『初めての』告白をした。
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