お稲荷様のお呼びです!


「巻き込まれたくなかったら、あまりこっちへ来るな」



上っていた階段を一段、また一段と下りる。


ここでまた邪魔をしたら怒られる所じゃ済まない。


今はある程度の距離を保たなきゃ。


そう思っていたのにいきなり嘉さんが進行方向を変えて私の元へ飛ぶようにして私の横へと来ると、抱え込まれた。


その直後に壁に亀裂が入り、カタカタと不気味な音が階段の踊り場に響く。


嘉さんはそのまま階段を一気に下り、廊下へと出る。


周りから聞こえる生徒達の声は楽しそうなのに、こっちは張り詰めた空気が流れているのに違和感しか感じない。

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