お稲荷様のお呼びです!
嘉さんは少し乱暴に私を降ろすと、また来た道を戻るように階段の方へと向かう。
その姿を見つめていると、嘉さんを狙って来たかのように階段から鳥に似た妖が現れた。
でもよく見れば、その鳥は骨だけで羽を羽ばたかせ少し大きめの体を動かしている。
「ヒャヒャ!!」
甲高い笑い声のような鳴き声は耳に響くと、耳鳴りのようにキーンと頭まで届く。
あれは一体……
考えるよりも先に嘉さんが妖に向かって飛びかかった。
普段とは違った鋭い爪がキラリと光る。