お稲荷様のお呼びです!
そしてゆっくりと姿勢を元に戻し、私を見下ろしてその身に纏(まと)う空気を変えた。
ほんの少しピリピリとする空気に、私も眉を寄せた。
『立て。金色の地の守り人よ』
そう言われて、フラフラと軋む体を立ち上がらせる。
ブワッと吹く風に、押されることなく地面をしっかりとこの足で掴んだ。
龍はとぐろを巻いていた体を解き、私を取り囲むようにその身を動かした。
すると金色の光が湧き出るように私達を照らし出す。
ぐつぐつと煮えるような血が、まだかまだかと言うように鼓動に合わせて全身を駆け巡っていく。
ざわめく胸を抑え、しっかりと龍の目を見つめた。
『其方の体には眠りについた力がある。その力をもって、この天界を変えてみせよ』
その声にそわそわし始める体に、眠ったままの伊鞠くんがフワッと離れていき龍の方へと向かっていく。
ピリッとした空気に、自然と体に力が入る。
ふっと龍が笑ったかと思えば雷が落ちる。
全身に感じるその電流が、体の奥底まで響いていく。