ワケありルームシェア
学校に行く準備をする。きちんと布に包まれた弁当が机の上に置いてある。

「よし………。はぁ、行くか………。」
快適な部屋の中から暑苦しい外に出る。
溶けそうだ。いや、僕がアイスだったら溶けてるか……。

そうくだらないことを考えながら重い足を引きずって学校へ向かった。






「おいっ!螢、遅せぇぞ!」
校門で待ち構えていたのは澄で。
「何。」
「弓景先輩が学校をやめるらしい!」
「は?」
急いで応接室に向かう。


_______________ガチャッ。


「あ、緋山君………。」
ただ涙を流す哀川さんと雨宮さん。
そして、呆然としている天文学部の先輩達。
「ねぇ、どういうこと………。」
急になんで…。

「もうここにはいられないかららしい。」

「どういうこと、ですか。」
「俺に聞かれてもよくわからん。」
もっと話を聞いておけばよかったのかもな、と自嘲気味に笑う早乙女先輩。

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