ワケありルームシェア
「ここで何してるんですか。諦めるんですか?」
気がついたらそんな言葉を発していた。
「まだ一緒にいたいと思うんだったら直接話を聞いて最後まで粘ればいいんじゃないですか。」
「ひ、緋山君。」
「螢の言う通りですよ。弓景先輩の行動範囲なら俺が絞れます。指示通りに動いてくださるんだったら情報料はタダです。」
澄まで無償で手伝うと言う。

「ふっ、そうだな。」
「探しに行きますか。」
「弓景がいないと盛り上がらないもんな。」
「眞白、探す。」
「ありがとう、緋山君!」

そして、みんなで澄の指示に従って探しに行く。

「しっかし、螢があんなこというなんてな。明日雨降るか?」
「明日は実際に雨みたいだよ。天気予報で言ってた。」
「まぁ、当たる確率は少ないけどな。」
別に深い意味は無い。
だけど、弓景先輩が哀川さんにとって大事な存在で大切な友達だと言うなら頑張って探してもいいような気がする。

でも一番は哀川さんが泣いているところを見たくなかったこと。
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