ワケありルームシェア
「霧谷君、次はどこだ!」
「次はそこの角を曲がって2番目の文房具屋です!」
走る。ただひたすらに。
膝が痛むが気にしない。今は何故か足を止めてはいけないような気がする。それ以上に、言い出しっぺの僕が一番先にリタイアするなんて絶対にいけない。

「哀川さん、大丈夫?」
「う、うんっ。」
「澪月、病み上がり。気を付けて。」
「あ、ありがとうございますっ!莎駆先輩!」
「うん。」
哀川さんは病み上がりのなか一生懸命走っていた。他の人よりも圧倒的に出来ない運動で、決してスピードを緩めず、頑張って周りのペースに合わせていた。


「いないぞっ!」

「じゃあ、最後です。」


_______________今、弓景先輩は病院にいます。

そんなん初めから弓景先輩のことを知ってたみたいに。
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