ワケありルームシェア
澄が案内したのはここら辺で一番大きな病院。哀川さんの表情が曇っていく。
そうだよね。ここにいたら、なんとなく予想できるかもしれない。
澄が言っていたことって本当なのかな。

「すみません、弓景さん……弓景眞白さんの部屋ってどこにありますか。」
「弓景眞白さんの友達ですか?」
「はい。」
「実は眞白さんから誰もいれるなって言われているので教えられないんですよ。」
「そうですか……。」
「どうするんだ、霧谷君。」


_______________じゃあ、いいです。




澄は看護師にこう伝えるとまた道を進み出す。
「ま、澄君!?部屋わかるの?」
「聞かないで入ったらダメだろ?だから“一応”聞いておいた。」
言い換えれば聞かなくても部屋はわかっていたということだ。どこでそんな情報が入ってくるのか、どうしてそこまで出来るのかが不思議でならない。
だけど、澄がいなかったらここまでたどり着けないような気がする。
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