ワケありルームシェア
一時間が経過した。
起きる気配が一向にない。

もう1度緋山君に視線を移すけど、見えるのは色素の薄い、さらさらとしてそうな髪。
「綺麗、だな。」
私の髪は真っ茶色だから、こういう髪色の人が羨ましい。

今なら触れそう。
髪だけなら、触りたい。
本当にさらさらしているのか。
そして、手を伸ばしかけた瞬間、

「…………んっ、……んぁあ、あ、」

「あ、おはようございます!」
「………僕、寝てた?」
「え、まぁ。」
「嘘でしょ。 え、何分くらい?」
「1時間くらいか。」
「その間待っててくれたの?」
「ご飯は人が多い方が美味しく感じますし。」
気づかれてないよね?
髪を触ろうとしてたこと、気づいてないよね?

「本当にありがとう、いただきます。」
よかった気づかれてないみたいだ。




「あの、もし宜しければですが………」




_______________ここに住みませんか?
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