ワケありルームシェア
螢side

「じゃあ、部活頑張れよ。」
先生の解散の合図でみんながバラバラに動く。
僕はもちろん哀川さんと応接室へ向かう。
いつも迎えに来ていたはずの弓景先輩は来ていない。
きっと終わるのが遅いんだろう。
「緋山君、今日は多分眞白先輩来ないと思う………。」
哀川さんが俯きながら伝える。
「誰だって来れない時はあるでしょ。」
風邪の時だってあるだろうし。

そして応接室につく。
扉を開けてもいつも迎えてくる弓景先輩はいない。
「奏汰先輩、眞白先輩はやっぱり来ないんですか?」
やっぱり………?
「あぁ。弓景君は1週間くらい学校にもこないみたいだ。」
「あの、部長。弓景先輩は何かあったんですか?」
「緋山君はまだ知らないことだな。なんて言うんだろうな………。色々ワケがあるんだよ。」
「ふぅん。そうですか。」
部長の様子を見ている感じではワケがあるのを知ってるけど内容を知らない感じ。
哀川さんも、ほかの部員もそうだ。
何かあるのは知ってるけど何があるのか知らない感じ。
誰にも話してないワケ………か。
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