無気力王子とじれ甘同居。
────ガチャ
帰ってきた!
「た、た、ただいまウス」
「おかえりっ!……ま、松下くん?」
顔を上げると、そこにはぐったりした顔の松下くんが今にも倒れそうな勢いで立っていた。
「大丈夫?気分悪いの?」
コンロの火を止めて慌てて駆け寄る。
「…あぁ、祐実。なんか…めっちゃいい匂いするんだけど」
「え、あぁ、うん。お昼ご飯、作ってたの」
「ご、ご飯」
「う、うん。カツカレー」
「カ、カツカレー?!?!」
え…。
さっきまでぐったりしてた松下くんは、目をキラキラ輝かせると、まるでお手本のように大げさにびっくりした顔をした。
「うん、本当はカレーだけのつもりだったんだけど、朝、松下くんカツ食べたいって言ってたから…って…え?」
私が話してる途中にも関わらず、松下くんは食器棚からスプーンを取り出して手に持って椅子に座ると、こちらをジッと見つめてきた。
何その『腹が減って死にそうたったんだ!』って顔。
私は、少しため息をついてからキッチンに戻りご飯とカツとカレーをお皿によそってから、松下くんの待ってるテーブルに置いた。