無気力王子とじれ甘同居。


ちょっと心配したのがバカみたいじゃん。


お腹空いてただけなんて。


「じゃあ…いただきます」

「いただきますっ!!」


松下くんは元気よくそう言うと、嬉しそうにスプーンでカツを切ってから、カレーに絡めて白いお米と一緒にかきこんだ。



「んっ!!!」


松下くんは力強く目をつぶった。


どうかな?

美味しいかな?


「…どう?かな?」


遠慮がちにそう聞く。


「うまいっ!!」


「は……よかった…」


すごくお腹が空いてたって言うのもあるかもしれないけど、それでも松下くんが初めて私の料理を食べてうまいって言ってくれた。


それがすごく嬉しくて。


なんだか目頭が熱くなる。


「祐実も早く食べな!俺が食べちゃうよ」


「だ、だめっ!」


松下くんがもう半分食べ終えながら私のお皿にあるカレーを狙っていたので慌ててそう言う。


「おかわり、あるからね」


「うんっ……ありがとう」


松下くんは今まで見たことないくらい嬉しそうに私に向かって笑ってくれた。


その瞬間、今まで以上に胸がドキンっと弾んだ。



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