無気力王子とじれ甘同居。


「松下くんってあれだよね。できるのにやらないタイプ」


テスト勉強を始めてからずっと思ってた。


言われたことはすぐにできるし、理解力も早い。


それなのに万年赤点なんて、めんどくさいからやらないの原因以外見つからないって。



「祐実ってあれだよね、黙ってればマシなのにしゃべって自爆するタイプ」


えっ…。


何よそれ!!!



「別に自爆とかしてませんけど?!」


「モテないじゃん」


「うっ…何よ!松下くんだって!」


私がそう言いかけると、松下くんは涼しい顔をして空っぽになったお皿を私に差し出す。


「おかわり」


「…うっ」


ずるいよ。
悪口言うくせに、私の作ったご飯を美味しそうにたいらげるなんて。


だってほら。


また嬉しいって思っちゃうじゃん。




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