無気力王子とじれ甘同居。



男子たちは「ひっ!」と怯えながら、松下くんのためにスペースをバッと開ける。



そして、松下くんは不機嫌な態度のまま教室を後にした。



あんなに怒んなくてもいいのに。



まぁ、今日のお昼ご飯を食べれば機嫌もきっと戻るよね。


きっと、2日連続起きてるし、頭もフル回転しっぱなしで疲れたんだろう。



今日は大貴との約束があるため、松下くんのご飯を朝に作って冷蔵庫に置いてある。



チンして食べてねとメッセージも添えて。


「じゃ、行くぞ祐実」


大貴のその声で、またクラスが賑やかになる。


「うんっ」


なんだか大貴と2人なんて、すごく久しぶりな気がする。


そうだ。


テスト勉強三昧だったストレスを今日発散するんだ!



「大貴っ!どこ行くの?」


「おぉ、乗ってきたな」


「うんっ!パーっと遊んじゃうもんねー!」


「おう。それでこそ祐実だ」


大貴はそう言って私の頭をクシャッと撫でた。



< 116 / 270 >

この作品をシェア

pagetop