無気力王子とじれ甘同居。
男子たちは「ひっ!」と怯えながら、松下くんのためにスペースをバッと開ける。
そして、松下くんは不機嫌な態度のまま教室を後にした。
あんなに怒んなくてもいいのに。
まぁ、今日のお昼ご飯を食べれば機嫌もきっと戻るよね。
きっと、2日連続起きてるし、頭もフル回転しっぱなしで疲れたんだろう。
今日は大貴との約束があるため、松下くんのご飯を朝に作って冷蔵庫に置いてある。
チンして食べてねとメッセージも添えて。
「じゃ、行くぞ祐実」
大貴のその声で、またクラスが賑やかになる。
「うんっ」
なんだか大貴と2人なんて、すごく久しぶりな気がする。
そうだ。
テスト勉強三昧だったストレスを今日発散するんだ!
「大貴っ!どこ行くの?」
「おぉ、乗ってきたな」
「うんっ!パーっと遊んじゃうもんねー!」
「おう。それでこそ祐実だ」
大貴はそう言って私の頭をクシャッと撫でた。