無気力王子とじれ甘同居。
「大貴、さっきも言ったけど苦手なのにいいの?」
「俺が誘ったんだからそんなこと気にすんなよ」
「…でも」
「でもじゃねー」
「…うっ」
大貴は私の鼻をつまんだ。
「祐実のくせに変に気遣うなよ。いつもは遠慮なしに人にお菓子奢らせるくせに」
「くせにってなによ!」
『祐実のくせに』
どこがで聞いたセリフだけど、思い出せないまま話を続ける。
「コンビニのお菓子はそんなに高くないもん。高すぎるといつもは大貴に怒られるし。クレープってちょっと高いから…ちょっと申し訳ない…」
「ふ〜ん。まぁ、祐実は俺に借金もあるしな〜申し訳ないとか、今更感あるよ」
「え、なにそれ」
「は?忘れてんの?」
呆れたように大貴が私を見る。
「中1の時、俺のゲーム機壊したじゃん。外で貸してって騒いで川に落っことした」
「…うっ、それは…」
っていうか、そんなことまだ覚えてたの大貴。
すごい根に持ってるじゃん。何度も謝ったっていうのに…。
「…え〜すごい謝ったのに?」
「許すなんて言ってない」
「うそやん」
「ほんと」