無気力王子とじれ甘同居。
「祐実、はずいからそんな変な顔すんな。行くぞ」
「へっ?」
気付けば、私の注文したクレープを大貴がもっていて、お店のお姉さんが私を見て笑っていた。
げっ……。
さっき穴掘って入りたいと思ったばっかりなのに、また変なことを…。
大貴は私のクレープを持ったままスタスタと店内のテーブル席へと向かうので慌ててついて行く。
「きゃあーー!ずっと食べたかったの〜!大貴ありがとうっ!」
苦手だっていう人を目の前に食べるのはちょっとアレだけど…。
でも、大貴がいいって言ってくれるんだからいいよね。
「ほらよ」
私は、大貴からクレープを受け取ってから、目で存分に楽しんだあと、パクっと一口クレープを口の中に入れる。