無気力王子とじれ甘同居。


クレープを食べ終わってから、私と大貴はクレープ屋を出てモール内を歩く。


やっぱり、今日の大貴はおかしい。


いきなり手を握ってきたり、苦手なクレープを食べたり、顔を真っ赤にしたり。


「…大貴、今日なんで」


「女子ってさ〜どんなプレゼントが嬉しいの?」


「…へ?」


「プレゼント」


隣を歩く大貴が、少し私を見上げながらそれを強調して聞いた。


プレゼント…。


あ!


もしかして、大貴の好きな女の子にあげるプレゼントを選ぶのを手伝って欲しいとか?!


それなら、なんだか大貴がしてた今までの行動が納得できる。


私は、大貴の練習台だってわけか!


それならちゃんと、いい練習台にならなくては!


「んー、なんだろう」


いい練習台にならなきゃいけないのに、恋なんてしたことない私には、好きな子からなにをもらったら嬉しいかなんて知らないわけで。


でも『なんでも嬉しいんじゃない』なんて台詞、1番言っちゃいけないし、練習台として失格だよね!



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