無気力王子とじれ甘同居。
「うわ〜めっちゃ愛されてますやん」
「…でも全然気付いてくんねんだよ」
「ほぉ〜もういっそ告白しちゃえば?そんなに気付いてくれないなら」
「うん。そのつもりなんだけどね」
あ、だよね。
だからこうして私を練習台として連れてきてるわけなんだもんね。
「あっ」
私はパッと目に入ってきたそれに目を奪われた。
「かっわいい〜〜!」
手に取ったブレスレットは、シルバーの細身のチェーンで、トップにはチェーンと同じシルバー色をしたプルメリアの花がついていた。
派手すぎないシンプルなデザインが、私の心を鷲掴みにした。
「ふーん。そういうの好きなんだ祐実」
「え…あ、うん。これすっごく可愛い」
「わかった」
「えっ…?」
「あ、えっと女子ってこういうのがいいんだな」
大貴がなぜか焦ったように頭をかいてそういう。
「あ、でも私の好みだからね〜やっぱりさ、ちゃんと連れてきて選んでもらった方がいいよ」
好みって同じ女子でも人それぞれだし、サプライズで失敗しちゃうよりも、ちゃんと選んでもらった方がよかったりするかも。
「だから、こうして連れてきてんじゃん」
「……えっ」
大貴はまた頬を赤く染めてから、私をジッと見てそう言った。