無気力王子とじれ甘同居。
っ?!
「うわっ!!松下くん?!」
びっくりして思わず大きな声で彼の名前を呼んでしまう。
ソファに体育座りをして丸まってた彼は、ゆっくりと顔を上げて、ジッと私のことを見た。
今日、バイトなんじゃないの?!
こっちを見る松下くんの顔は完全に不機嫌を通り越して怒ってる。
「バ、バイト…は?」
恐る恐る、カバンを盾にしながら聞いて見る。
「田口さんとシフト交代になったから休みだけど」
「えっ、それ私聞いたっけ?いつの話?」
「3時間前」
うっ。
じゃあわかるかーい!!
「聞いてないし…」
「言ってないし」
ったく…。
「祐実のバカ!おたんこなす!」
「はぁ?何よいきなり。知らなかったんだからしょうがないでしょ?」
「すげー電話したのに、一回も取らなかった」
松下くんはキッと私を睨みながらそういう。
「電話?」
そんなのきた覚えな…。
「あっ」
学校終わってマナーモード切るのを忘れてたから全然気が付かなかった。
カバンから携帯を取り出すと、ロック画面には、ずらーっと『松下くん』の名前が並んでいた。