無気力王子とじれ甘同居。
【side 祐実】


────チュッ


ん?


腕に違和感を感じ、私はゆっくり目を開ける。


────チュッ


んっ?!
まただ!!


今度は、音までしっかり聞こえた。


夢?


一体…。


まだちょっと寝ぼけながら、暗闇に慣れた目を動かすと、フサフサした何かが私の左腕でもぞもぞしていた。


人っ?


「…きゃっ!」



私が声を出すと、フサフサの物体がビクッとしてから、ゆっくりとこちらを向いた。



「……ヤバ」


この声、松下くんの声だ。



「何してるの…松下くん…」


私は夜な夜な女子の部屋でこそこそしていた彼に恐る恐るそう聞く。



「消毒」


「はっ?!」


また意味不明なことを述べる松下くんに、私は体を上半身だけ起こしてそう声を出す。





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