無気力王子とじれ甘同居。
松下くんが触れていた私の左腕。
あれ…。
私は彼から腕を離すと、手首を反対の手で触る。
やっぱり…。
つけていたはずの大貴からもらったブレスレットがない。
「…松下くん、まさか」
「アレなら食べた」
また変な冗談を。
「どこに隠したの…どうして…どうしてそんなイタズラするの?」
わざわざ夜中に人の部屋に忍び込んで…。
正気の沙汰じゃないわよ。
「祐実が悪いんじゃん」
「…え?」
「そうやってすぐとぼけるところとか…わざと?」
またイライラしだす松下くん。
あぁ、もう。
大貴も松下くんも。
変だよ。
「…全然わかんないよ」
私がそういうと松下くんは大きなため息をついた。
「…だったら、教えてあげるよ」
っ?!
───チュッ
「…えっ……ひゃぁっ!」
松下くんは、突然私の頬に手を置くと、私の左耳を舐めるようにキスをした。