無気力王子とじれ甘同居。


「男が女にブレスレットプレゼントするってことは、手錠。つまり、俺の元から離さないって意味があんの」


「…は、嘘」


「高校生にもなってそんなこともわかんねーのかよ」


松下くんは『本当バカだな』なんて悪口を言う。


信じられない…。
松下くんの言ってるブレスレットの意味が本当なら…大貴は…。



「あいつ、祐実のこと好きだよ」


松下くんは、掴んでいた手を離してから、下にいる私を見上げながらそう言った。



「…そんな」


「本当に気付かなかったの?」


「…それは」



正直、最近の大貴の行動に『なんかおかしい』とは思っていたけど。
まさか、まさかのまさかで…。



「最近…おかしいなとは思ってた」



「……ふーん」



「どうしよ、松下くん…私」



もし松下くんの言ってることが本当なら、いや、大貴の今までの行動からしてその確率は高くなってるわけで…。


この際、自意識過剰とか勘違いならいいのに。


そしたら、大貴を傷つけることなんて…。






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