無気力王子とじれ甘同居。
「…俺に聞くのおかしいでしょ」
「ごめん。そうだよね」
「付き合わないの?」
松下くんは、私の上から降りてから隣に座りだした。
「何度も言ってるじゃん。大貴とはそういうのじゃないの…」
あぁ、どうしてもっと早く気づかなかったんだろう。
「…ブレスレットどうしよう」
「ものに罪はないだろ」
「返さなくていいの?」
「祐実、男が女からプレゼント返されるほど辛いものはないと思うぜ」
「…あぁ、そうだよね」
どーしよどーしよ。
「とにかく、今はつけるのやめろ」
「…うん」
あ。
そういえば…。
さっき、松下くんがブレスレットを外したんだろけど。
「…松下くん、さっき私の腕触ってたの『消毒』って言ってたけど、一体何を」
私が目を覚ましたのは、ブレスレットを取られた違和感ではなかった。
もっとこう、なんていうか…。
吸われてるみたいな…。
「朝になればわかるよ」
松下くんはそう言って、私の隣で横になり始めた。
「ちょっと松下くん!ここで寝ないでよ!」
「……」
「松下くんってば!」
「……」
「…もう」
私は少しため息をついてから、松下くんに背中を向けて布団の中に潜り込む。
心臓がドキドキと鳴って、寝るのに集中できない。
だって…松下くんとはさっき…キ…
あーもうっ!
私は、後ろに彼のぬくもりを感じなら無理やり目をつぶった。