無気力王子とじれ甘同居。








「んー……っ?!」


はっ!!


寝返りをうって目を覚ますと、そこにはもう何回見たかわからないその顔が、スースーと寝息を立てていた。



そうだった…松下くん、昨日そのまま寝やがったんだっけ。



大きな考え事ができて、私の頭はもうパンク寸前だって言うのに…。


目の前で涼しい顔をして寝てる松下くんになんだかムカついてしまう。



1番先に大貴のことをどうにかしなくちゃいけないのは確かなのに…、


私は目線を彼の口元に向けて、昨日のキスを思い出す。



あーあ。
こんな残念なイケメンにファーストキスを奪われちゃうなんて…。


それも、彼にとっては『黙らせる方法』に過ぎなくて。


ファーストキスはちゃんと気持ちのこもったものが良かったのに。


パチッ



っ!!



目の前の薄い瞼が開かれると、瞼に隠れていた瞳がしっかりと私をとらえた。





< 143 / 270 >

この作品をシェア

pagetop