無気力王子とじれ甘同居。


────ガラッ


「あいちゃん、一体…」


急いで空き教室に入ると、床に座ったあいちゃんと松下くんが2人とも不機嫌そうに座っていた。



「みんなに松下くんがここにいるってバレる前に、話を終わらせるわよ」



「…え、」



「あっこちゃん、なんの真似?俺告白されるんじゃないのー?」


ううっ、何この告白慣れしてるオーラ全開の感じ。


むっかつくー。


「あれは嘘。今頃、松下くんのファンはみんな駐車場に行ってるんじゃない?告白見ようと」


ドヤ顔でそう言うあいちゃん。



「え、どう言うこと?」


「こうやってみんなの気を晒してるうちに、話をするの。学校で普通に松下くんと話すなんて、無理だって言うのはこの前のカフェでわかったし」



「嘘までつくなんてなかなか意地悪だね〜」


松下くんはそう言って笑った。



「それで?こうでもして俺と話したいことって、何?」


まるで自分の1番かっこいい角度をわかっているかのような仕方でこちらをみる松下くん。



ふん。この手にはもう慣れたぜ。



< 169 / 270 >

この作品をシェア

pagetop