無気力王子とじれ甘同居。
「松下くんっ」
あいちゃんが少し大きく松下くんの名前を呼ぶ。
「あーも、わかったよ。罰だよ。俺のことほっといた罰」
「罰?」
「祐実があいつと遊んでいた間俺はお腹すいて死にそーだったの。だから罰」
「全然意味わかんないんですけど…」
「祐実バカだもんな〜」
「はぁー?勉強教えてもらってバカ呼ばわりしないでよねー!」
「……」
ん?
「あいちゃん?」
さっきまでわなわなと怒ってたあいちゃんが急に黙っているので、声をかける。
「……」
あいちゃんはそれでも黙ったままだ。
「なんだー松下くんいなかったよー?」
「えー、もう告白終わったのかな?」
「相手見られなかったー!」
っ?!
廊下からざわざわとそんな声が聞こえる。
あ、松下くんファンの子達が帰ってきたんだ。
「もしふざけ半分なら…許さないから」
あいちゃんは、俯き加減で松下くんにそう言う。
「私と祐実が出てから、松下くんは廊下に出て。3人一緒にいるところ見られたら色々めんどくさいし。行くよ、祐実」
「…え、あ、うんっ」
私は松下くんの言ってることに全然納得できなかったけど…。
あいちゃんは納得したのかな?
私は、あいちゃんに腕を掴まれたまま空き教室を後にした。