無気力王子とじれ甘同居。



「祐実!」


帰りのHRが終わるとすぐ、教室のドアから私を呼ぶ幼なじみの声がする。


「大貴…」


「帰ろーぜっ」


「あ、うんっ、今行くっ」



「熱々だね〜」
「ついに付き合ったのかな?」


私と大貴のやり取りをみて、クラスの女子たちがそう小声で話してるのが聞こえる。


大貴は私に告白した日から、今まで以上に教室によく来るようになった。



大貴と一緒に帰ることなんて、前もよくやってたのに、今は大貴の気持ちに答えられない自分と答えてあげたいと思ってる自分の両方があって複雑な気持ちだ。


「祐実、テストどうだった?」



2人だけの帰り道、大貴がそう聞いてくる。


「んーまぁまぁかな、大貴は安定して上位だったね!席次張り出されてるのみたよ!」


「まぁね〜」


「いやー幼なじみが頭いいと助かるよ〜今回のテストも大貴に聞いたわからなかったところ教えてもらってたおかげで、松下くんに教えることできてさ〜助かった助かった」



「…松下?」


っ?!


ひっ!!!


私今、松下くんの名前出しちゃってた!?



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