無気力王子とじれ甘同居。
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「わー!見て見て!松下くんヒトデ!」
「うん」
うんって…。
松下くんがやってきたのは、最近改装されたばかりの水族館。
タッチプールを目の前にはしゃぐ私を冷めた目で見る彼は、なんだか顔があからさまに嫌そう。
「松下くん、触れるんだよ?触ろうよ!」
「いい。祐実、いい年して騒ぐなよ、恥ずい」
手をプールの中に入れてワクワクしていると、全く正反対な態度をとる松下くん。
いや、松下くんが見たくて来たんでしょ?
私はその付き添いなのに…。
はしゃいでる私がバカみたいになるのおかしいって…。
「恥ずいって…べつに1人で触るもんね」
松下くん、なんで水族館に来たんだろう。
なんか、はしゃいでるようには見えないし。
好きじゃないのに来たの?
だったらなんで?
「あ!」
私はあるものを見つけて声を出した。