無気力王子とじれ甘同居。



「バスタオルは洗濯機の横ねー!」


「……」


返事ないし…。


夕飯を食べ終わって、松下くんにお風呂を案内して入ってもらう。



少しして、シャーっとシャワーの水が出る音がして。


その音が聞こえた瞬間途端に私の心臓はバクバクと大きくなり始めた。



まってまってまってまって。



やばいよね?


まずいよね?


ファンクラブがある松下くんに、普通に夕飯作って自分家のお風呂に入れて…。


これバレたら確実にやばいよね?!


松下くんが私の家のお風呂に入ってる?!


改めてことの重要性に気付いて、私はダランと休んでいたソファから立ち上がり、急いで汚れたお皿を洗いにキッチンに向かう。



考えろ。


考えるんだ私。



本当に大丈夫なのか?


バレずに済む?


バレるとかバレないとかじゃなくてさ…それよりも…。


この私が、学校の王子である彼と平穏に暮らせるかどうかが問題だ。


今日、ほんの数時間松下くんを見ただけだけど…


あれ、絶対性格に難ありじゃない?


お邪魔しますも美味しいですもありがとうもいえない人間なんて。


ありえな─────。


「風呂終わった」


「……っ?!」



─────っ!!!




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