無気力王子とじれ甘同居。
『時々、眠るのがすごく怖いんだ…』
何度かお見舞いにいった時、希和は窓の外を見つめながらそういった。
『次の日、目を覚ませなかったらって思うと怖いの…』
泣くのを堪えるように震えながらそういった希和の顔を今でもよく覚えている。
だから俺は、彼女の手を握りしめていったんだ。
『眠れなかったらいつでも窓の外から月を見て。希和(きわ)が見てるとき俺も絶対見てるから』
6年前、彼女にそう約束をした。
『希和は1人じゃないよ!俺がいる!ずっと繋がってるから』
それから俺は、毎日のように夜中家をこっそり抜け出してから、公園の木に登って月を見るのが日課になった。
その頃からだ。
学校がある日中、ものすごく睡魔に襲われるようになったのは。