無気力王子とじれ甘同居。
「今日、希和と再会して自分でもびっくりしたんだ。会えて嬉しかったけど、ドキドキしなかった」
「……っ」
わざとかのように、祐実にどんどん顔を近づけて話す。
『うん。ただのクラスメイトだよ…』
その言葉の続きを、俺は祐実に聞かれないように耳打ちで希和に言った。
『…今はまだね』
俺はもうこんなに祐実でいっぱいなのに。
やっぱり祐実は…幼なじみのあいつの方が良いのだろうかなんて。
「久しぶりすぎて気持ちが追いつかなかったんじゃない?」
俺と絶対目を合わせようとしない祐実。
キョロキョロと動く瞳だって『可愛い』なんて思っていて。
重症だ。