無気力王子とじれ甘同居。
「祐実は…俺のこと嫌い?」
「…松下くんこそ」
「俺は…ちゃんと今言ったよ」
「ううん違うよ」
「…?」
松下くんは、いつも気まぐれで勝手。
絶対に信じたら最後バカにされるもん。
「松下くん、いつも私のとこ嫌いとかブスって言うもん…」
それなのに今更、実は好きでしたなんて信じられるわけ…。
でも、自分の心臓が今までの人生史上一番ドキドキしているのは確かで、悔しい。
「…俺はガキだからこんな仕方でしかできないんだと思う」
「なにそれ小学生じゃん」
「うん。多分小3で止まってる。好きな子いじめちゃう系」
…ほら、またそうやってふざける。
「…希和さんといる松下くんはキラキラしていたもん」
そう。
明らかにいつもの松下くんとは違っていた。
本当は松下くん、希和さんが好きなんでしょ。
「祐実といる俺はキラキラしてないの?」
そう言う松下くんの目は少し意地悪で、
松下くんは鼻筋の通った綺麗な鼻を私に当たりそうなくらい近づける。