無気力王子とじれ甘同居。
心臓の音がうるさくて、あまり上手に声が出ないけど、勇気を出して口を開く。
「好きだよ…私も」
やっぱり目が合わせられない。
松下くんが今どんな顔をしているかなんて、恥ずかしくて見られない。
自分が自分じゃなくなっていくみたいで、正直怖いんだ。
「……」
ん?
人生で初めての告白をしたけど、告白を受けた本人の声が突然聞こえなくなった。
松下くんは、私の頬からスッと手を離していた。
「…松下くんっ?!」
恐る恐る目を松下くんに向けると、松下くんは私から目線をそらして唇を噛んでいた。
「……やばい泣きそうかも」
「へ?!ちょ、なんで!」
っ?!
松下くんは、私の肩におでこを置いた。
「今俺、すっげー嬉しい」
「…っ、」
そんなに近づかれちゃったら、ドキドキしてるのにバレちゃう。
「私もうまく言えないけど、松下くんといる時間は楽しいし…松下くんにああ言うことされても逃げなかったのは多分…好きだから」
私がそう言うと、松下くんは顔をあげた。
「…じゃあ、もう一回する?…キス」
っ?!
やっぱり松下くんの意地悪なところは変わらない。