無気力王子とじれ甘同居。
「…し、しないよっ!外だし」
慌ててそう言う。
「ふーん。外だからしないの?」
「…家でもしないっ」
「なんで?俺のこと好きなんでしょ?」
松下くんはさっきの可愛い顔は何処へやら、意地悪モードにスイッチが入ってる。
「…好き…かもしれない。まだ確定ではない」
「え、なにそれ」
「初めてだから…こう言う気持ち」
「どう言う気持ち?」
うぅ。
「…松下くんが誰かに取られるのが嫌だと思った」
恥ずかしさのあまり、私は松下くんのシャツをギュッと握る。
恥ずかしすぎるのに、私のことを離さないでと思う。
「へー、嫌だと思ったんだ〜?」
「…う、なにその顔」
ニヤニヤしてる松下くんの顔にちょっとイラっとする。
「安心してよ、俺たちはもう永遠に結ばれてるから」
「え?」
自信満々の松下くんに首をかしげる。
「今日の水族館。アクアルームの席に並んで座ったカップルは永遠に結ばれるんだと」
「へっ!まさか松下くん、そのためにわざわざ水族館に?」
「……考えが幼稚なのはわかってるよ。でも何かにあやかってでも、祐実と通じ合いたかった。それくらい俺だって余裕ないから」
「松下くん…」
顔を熱くして私におでこをくっつける彼にまたキュンとする。