無気力王子とじれ甘同居。
「俺も嫌だった、祐実があいつと仲良くしてるの」
「…えっ」
「どうしても、俺の方が祐実のこと知らないこと多いし、それに比べて幼なじみのあいつはよく知ってるから、それがすげーいやで」
大貴のことを言ってるんだ。
「あいつを挑発したのも、祐実を困らせようとしたのも、全部俺を見てほしくて。ほんっとガキなのはわかってるんだけど、どーしても自分だコントロールできなくなるんだ」
嘘……。
ずっと私は本気で嫌われているとばかり。
「祐実」
「は、はい」
思わず敬語になる。
「…好き」
「…っ!…さ、さっき聞いたよ」
「うん。すげー好き」
「…だから聞いたってば」
恥ずかしいからあんまり言わないでほしい。
「…キス、していい?」
っ?!
聞くなんてずるいよ。
松下くんの意地悪。
私は、ゆっくりとうなづく。
私がうなづくと、松下くんは私の顎をクイッと指で持ち上げて、
恥ずかしさのあまり目をつぶった私を見て、
「フッ」
と声を漏らしてから。
ゆっくりと唇を重ねた。