無気力王子とじれ甘同居。
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*
「…松下くんは…なんで私が好きなの?」
部屋に帰ってきて、そばで横になってる松下くんにそう聞く。
いつから好きなのか、
私のどこが好きなのか、
「…なんでって…分かんないよ。強いて言うなら祐実だから、じゃない?」
「へ?!テキトー!」
「テキトーじゃないよ。ご飯美味しいし、俺のために一生懸命勉強教えてくれたし、反応が面白いとか、そりゃ色々あるけど、でもそれは祐実だから良いって思えるわけで」
…どストレートすぎる告白に、聞いておきながら私が照れてしまう。
いい意味でも悪い意味でも松下くんは素直だ。
─────ギュッ
松下くんが、腕と足を使って、私を抱きしめる。
「…聞こえる?俺の心臓の音」
「へっ」
私は、松下くんの胸元に耳を置いてから、彼の心臓の音を聞く。
っ?!
トクントクントクントクン。
早くて大きな音。
松下くんも…こんなにドキドキしてるんだ。