無気力王子とじれ甘同居。


「気付いたら、すげー好きになってた」


「…っ」


「今日希和に会って余計わかったよ」


松下くんは私のうなじにわざとらしく吐息をかけながら、そう言う。


「…ちょっ、松下くん…」


「…手出さないって言ったけど」



ッ?!


松下くんは体を起き上がらせると、私に覆いかぶさって前髪の隙間から私を見下ろした。



「…へっ、ちょ」


これって…。


「祐実」


「はっ?!はいっ?!」



「今までは一方的に祐実の独自ルールに従ってた。今度は俺が作るから」


「えぇっ」


「みんなに言っちゃおうかな〜」


うっ、途端に、松下くんの目が意地悪松下くんになる。




< 232 / 270 >

この作品をシェア

pagetop