無気力王子とじれ甘同居。
っ?!
ギュッ
松下くんは、バタンと横に倒れると私を抱きしめてた。
「毎晩一緒に寝ること♡」
いや最後のハート!!
いる?!
一気に意味深になるんだけど!!!
「…いやそれは私の気分とかあるし」
「夢で浮気とかされたら困るし」
「…え、そんなこと」
「祐実、結構浮気性じゃん」
はぁ?!
「そんなつもりないのかもしれないけど、いろんな男にいい顔しすぎだよ?」
「…それは松下くんの考えすぎじゃ」
「ルール3つ、守れる?」
「…う、」
「返事は?」
ほんっと、ずっと自分勝手な人だな…。
「わかりました」
「うん。よくできました」
松下くんは満足そうに言うと、私の手をギュッと握った。
「おやすみ、祐実」
「うん。おやすみ」
いろんなことがありすぎて疲れちゃったな。
だけど…。
彼がぐっすり眠れるようになってよかった。
松下くんのぽっかり空いた穴を、
私が埋めたのかもしれないなんて、
自惚れてもいいのかな?
横から聞こえる寝息に
ドキドキと鼓動を鳴らさながら、
私は静かに夢の中へと落ちた。