無気力王子とじれ甘同居。








「で、どんな子?同居人の子!」


「ブッ───ゲホッゲホッ」


翌日のお昼休み、机にお弁当を広げた瞬間、目の前でカフェオレを飲んでるあいちゃんの質問に思わずお茶を吹き出しそうになった。



「…へ、ちょっと祐実、大丈夫?」


むせた私をあいちゃんが心配してくれる。



「…うん、大丈夫大丈夫!ごめんごめん!」



そう答えたけど、大丈夫じゃないし、むしろピンチである。



あいちゃんに本当のことを話した方がいいのか…黙ってた方がいいのか…。



「楽しみにしてたじゃーん。どうなの?」



うぅ…。


大好きなあいちゃんに嘘をつくなんて絶対に嫌だし…。



「…えっと、あのね、あいちゃん」


「うわー!松下なにそれ!手作り弁当?!」


─────っ?!


話出そうとした私の声は完全にその男子の声にかき消されてしまった。



そして──────。


騒いでる男子のグループを見ると…そこの中心にいたのは松下くんで…。



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