無気力王子とじれ甘同居。
私はドクドクと大きく心臓を鳴らしながら松下くんの方へと体を寄せる。
まだ触れてもいないのに、松下くんの体が熱くなってるのを空気で感じる。
松下くんも…ドキドキしてくれたらいいのに、なんて。
いつも私ばかりで、私ばかり振り回されて、少しムッとしちゃう。
「……っ」
私が松下くんの肩に手を置くと、彼の体が少しビクッとした。
好き、です。
多分、松下くんのことを好きになるのに時間はかかっていなかった。
自分勝手なところも
自由人なところも
失礼なところも
美味しいって笑った顔も
拗ねた時の顔も
布団の中で甘えるとこも
広い背中と
以外に大きくて、白くて骨ばった手も
お風呂上がりのまだ濡れた髪も
吸い込まれそうな瞳も
薄い唇も
全部──────。
「…好き、松下くん」
私は小さくそう吐いてから、
彼にゆっくりと唇を重ねた。