無気力王子とじれ甘同居。
私は目頭が熱くなって、下を向きたくなったけど、大貴に頬を抑えられたままで動かずことができず、目にどんどん溢れる涙を溜めていく。
「あー、泣いてんじゃねーよ。振られてんのは俺なんだからな?」
「う、だけろ…ふぇ……」
うまく言葉にならなくて。
男女の友情なんて成立しないって、
誰かはいうけど…
「フッ、すごいブサイク」
その爽やかな笑顔も
「ふぇーん。言わないれ〜〜」
「あいつに泣かされても、俺の胸がいつまでも空いてると思うなー?」
頭を撫でるその手も
「…うんっ」
「祐実、世界で1番、幸せになれよ」
そう言って飛ばしたデコピンも
私はそれを全部、
世界で1番大きな
『友情』
だって、胸を張って呼ぶんだ。